2月1日〜3日、ベルギー・アントワープで第13回アントワープ・スターズカップが開催され、初日に行われたWDSFシニアVスタンダード世界選手権に日本選手として初めて次の12組が出場した。
何れも日本代表や派遣選手ではなく自費参加であり、DSCJのA級およびB級の選手である。
岩瀬純夫・恵理子(東京)、奥田敏行・西久保擴子(千葉)、篠田英明・良子(千葉)、高橋修美・ひとみ(千葉)、中村功・高山ひろ子(千葉)、大谷晃也・眞理子(埼玉)、岡田明義・祐子(長野)、石川誠一・美智子(新潟)、林伸男・民子(岐阜)、伊藤茂・千鶴(愛知)、古澤誠・緑谷朱三江(愛知)、谷口主嘉・小夜子(京都)
世界20カ国から232組が出場した中で日本選手の結果は、五次予選(ベスト24)3組、四次予選1組、三次予選7組、二次予選1組だった。
また3日目にはWDSFシニアVオープンスタンダードが行われ、日本選手は上記のうち11組が出場した。16カ国から96組が出場した中で日本選手の結果は、谷口組が準優勝、石川組と大谷組が準決勝、三次予選3組、二次予選5組だった。
両試合ともWDSFシニアVのポイントランキング対象競技でシード選手も多い中で、日本選手は何組も決勝に残ってもおかしくないレベルだった。
グランドシニア競技会の活性化
今回の参戦でカルチャーショックとも言えることは、ヨーロッパではシニアVの競技会がとにかく盛大なことであった。
WDSFのシニアVは、男女一方が55歳以上で他が45歳以上の年齢層で、JDSFのグランドシニア(男女共55歳以上)に相当する。
日本のグランドシニアはA級でも2種目で、3人審査の場合もあり、出場組数は10組前後と少ない。一方WDSFのシニアVは一次予選から5種目総合で、今回は選手権が9人審査、オープンが11人審査(あのピノもいてジャッジレベルが高い)であった。そしてWDSFシニアVスタンダード世界選手権には毎回数百組(最も多いドイツは1カ国で百組前後)が出場し、全年齢層を通じて最大規模の世界選手権である。
日本の競技ダンス人口はグランドシニア以上が特に多く、その多くが団塊世代で急速に減少しており、現状のままだと数年で激減することが予想されている。
熟年選手は若い選手の様な激しい動きはできないが、円熟した魅力ある踊りを目指してまだまだ上達の余地がある。熟年選手が現役アスリートとして競い合い、長く続けていくには競技環境の改善が不可欠であり、グランドシニア、スーパーシニアの競技会をヨーロッパの様に重視して活性化することが大切と思われる。
競技を続ける活力のために海外競技会に出場
長年真摯に続けてきた競技ダンス、人生で一度は海外の世界選手権に出場してみたい。WDSFシニアV世界選手権は誰でも自由に出場できるオープン制であり、海外はクラス別が無いためJDSFならC級かD級と思われる選手も多数出場している。
WDSFの競技会に出場するにはWDSFのID-Cardが必要であり、これはJDSFを通じて1,000円程度で取得できる。WDSFの世界選手権はJDSFを通じて行う必要があり、今後はJDSFが出場選手を選考することも考えられるが、3日目に行われたシニアVオープンなど他のWDSFの競技会はWDSFのホープページから直接申し込み、JDSFへは届出することとなっている。
今回は団体ツアーではなく各々が航空券を手配し、ホテルを予約して参戦した。一人当たりの費用は格安航空券9万円前後(燃油等込)など観光も含めて合計18万円程度だった。英語が苦手な人や海外競技会が初めての人も多かったが、経験者のサポートとメールでの情報交換によって事前準備をし、意外に簡単に出場でき、そして「最高に楽しかった、また是非行きたい」というのが全員の感想である。
WDSFをはじめ出場可能な海外競技会は世界各国で頻繁に開催されている。仲間を募って情報交換をすれば国内と同様に意外と簡単に出場できるし、競技会のレベルも国内と大差ない。これからも競技を続けていく活力のためにも是非海外競技会への出場をお奨めしたい。
【千葉県から参戦した4組】
篠田英明・良子組(千葉DSC) 奥田敏行・西久保擴子組(千葉西支部)
高橋修美・ひとみ組(千葉東支部) 中村功・高山ひろ子組(千葉DSC)
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